女性の政治参加~包括的な差別禁止の必要性
1月28日(日)鎌倉生涯学習センターにてネット鎌倉総会第2部の記念講演に弁護士で国際人権法に詳しい林陽子さんをお迎えし、メインテーマで女性の政治参加、サブテーマで包括的な差別禁止の必要性についてお話をお聞きしました。林さんは2018年までは国連女性差別撤廃員会の委員をされていて、鎌倉とジュネーブを行ったり来たりされていましたが昨年、市川房江記念会女性と政治センターの理事長に就任されました。
女性差別撤廃委員会(CEDAW)は女性・女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃することを基本理念とした条約。条約の締約国は、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野における女性に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置をとること等が規定されています。1979年国連総会で採択され、日本では1985年に条約を批准しました。
女性差別撤廃委員会からこのような指摘事項が挙げれれています
・皇室典範(女性による皇位の形状について)
・民法(選択的夫婦別姓の導入、再婚禁止期間の撤廃、離婚の際の財産分与・養育費の確保)
・刑法(性暴力犯罪を被害者視点で見直す、堕胎罪の撤廃、旧優生保護法被害者への補償)
・意思決定の場に女性を増やすための戦略
→例えば判事は15人のうち3人しかいない。女性を増やしていくための声をあげる
・労働法(同一価値労働同一賃金、セクハラの禁止
・税法(家族労働に関する所得税法の改正)
・年金法(高齢女性のための最低所得補償)
・マイノリティ女性の権利擁護、ヘイトスピーチからの保護
日本の国会女性議員は衆議院議員が9.7%、参議院議員は28%。市議(除・政令指定都市は22%。グローバルジェンダーギャップ指数の総合順位は146か国中125位と低い順位。しかも女性議員ゼロの議会は全国に200以上もあるとのことで日本は世界から大きく遅れています。
女性差別撤廃委員会は、国の法律を国際法の基準に調和させる、パリテ議会(男女同数)をめざした選挙法改正を実現する、セクハラや誹謗中傷など政治におけるジェンダーに基づく暴力をなくす、政府や自ら女性の政治参画に関する意識を高める努力をする、議会をもっとジェンダーに敏感な場所に変えていくなど新しい一般勧告を公表し、2024年秋に採択されるよう動いています。
女性差別をなくしていくにはおかしい!と思う人を増やさなければなりません。女性議員を増やしていくにはまず政治に関心を持った人を増やしていくことです。地域から声を上げていくために仲間と共に活動していきます