かながわの朝鮮学校交流ツアー2024

 2月17日、神奈川朝鮮中高学校で開催された「かながわの朝鮮学校交流ツアー2024 出会う 学ぶ ともに in kanagawa」に参加しました。

 初級学校の授業参観では母国語や算数、理科など子どもたちが学ぶ様子を見学させていただきました。みんなとても元気よく活発に発言している印象でした。中高生の企画展示はクイズや伝統的な遊びを紹介したりハングルで名前をどうやって書くか教えてくれたり文化祭のような雰囲気で、色々な文化を楽しみながら知ることができるように企画されていました。

 私が一番印象に残ったのは、展示パネルの中で群馬県高崎市の「群馬の森」にある追悼碑を撤去してしまったということ。追悼碑は、戦時中に軍事工場や鉱山などへ労務動員されて亡くなった植民地支配下の朝鮮人を悼む目的で、市民団体によって建てられましたが「宗教的・政治的な行事をしない」との条件がついていました。しかし追悼式で「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などと発言した人がいたことを問題視し、「政治的な行事をしている」との街宣・抗議活動が活発になり撤去することとなりました。
また関東大震災の際に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「集団で暴動に来る」「放火した」といった根拠のない情報があふれ、実際に多くの朝鮮人らが殺害されたという展示でした。事実ではなくデマなのにそういった混乱の中でデマを信じて虐殺してしまうことの怖さ。そして過去の事実を隠そうとすることの悲しさ、恥ずかしい気持ちと悲しい気持ちでいっぱいですが事実を認め反省しなければなりません。

 午後は講演会の後、高校3年生の生徒も交えてグループトークの時間でした。ご両親は在日の方なので生徒たちが家に帰って日常会話をするのは日本語なのだそうです。そして聞く音楽もJ-popsだったり、kーpopだったり、時には朝鮮の音楽も聞くそうですがカラオケも行って歌謡曲を歌ったりするそうです。そしてアニメも好きだったり、部活を頑張ったり日本の高校生と何も変わりません。日本に住んでいて嫌な思いをしたことがあるか聞いたところ、周りで接する日本人はいい人が多く好きであるけれど、差別が行われたりしていることには心を痛めているとのことでした。

 学ぶ権利を保障する学費補助金を朝鮮学校の子どもたちには支給されていません。県は朝鮮学校の教科書に拉致問題を盛り込む改定がされていないという理由で2016年から補助金を停止したままです。国との間で歴史的な問題があったとしても学生には無関係で学ぶ権利は保証されるべきです。
 ルーツが朝鮮人だから朝鮮語を習いたい、自分たちの文化を知りたい、守りたいと思うのは当たり前のことではないでしょうか?私がもし外国で暮らしていても同じように感じると思います。私たちと同じように税金を納めて暮らしているのに朝鮮学校には助成金が降りていないため校舎の建て替えや修繕ができないなど理不尽なことが起きています。

 昼食のときオモニの作ってくれたあったかいスープに癒されました。子を思う気持ちは万国共通です。お互いのことをもっと理解しあえたら差別はなくなるはずです。事実を知り理解しあえるよう参加する人たちを増やすため発信していきます。