奈良県奈良市「子どもにやさしいまちづくり」を学ぶ
厚生常任委員会の視察2日目は奈良県奈良市の「子どもにやさしいまちづくり」を学びにいきました。
人口は348,285人(令和6年4月現在)全国で29番目の中核市です。就学前の児童数は平成26年から10年で3,439人減少(▲20.9%)しています。
すべての子どもが今を幸せに生き、夢と希望を持って成長することができるまちならは奈良市の子どもにやさしいまちづくり推進に向けた主な取り組みをしています。
⚫️奈良市独自の子ども条例「奈良市子どもにやさしいまちづくり条例」制定(H27~)
⚫️子どもが意見表明をする場合である「子ども会議」を設置
⚫️「奈良市子どもセンター」の設置
⚫️子どもの権利に関するアンケート
⚫️奈良市の子どもにやさしいまちづくり条例
奈良市の子どもたちが今を幸せに生きることができ、将来に夢と希望を持って成長していけるようにし、子ども参加によって大人とともにまちづくりを進めることを目的として、平成27年4月に施行されています。
・条例施行までに子どもの声を聞くための取り組みを3年かけて行った
・条例の名称に「子どもにやさしいまち」(ユニセフ提唱)を取り入れている
・子どもが意見表明し参加する場として「奈良市子ども会議」の設置を掲げている
取り組み1としてアンケートは小学5年生に485件、中学2年生に558件、17歳の市民に1000件、20歳以上の市民に1500件からに行っています。
取り組み2としてインタビューは児童養護施設の子ども、母子生活支援施設の子ども、指導相談所の職員、児童家庭支援センターの職員、非行と向き合う親たちの会の保護者、不登校・引きこもりを考える親たちの会の保護者から声を聞いています。
取り組み3として子どものワークショップ
平成24年度 子どもたちの意見や思いを「私たちの未来を開く提案」とし
てまとめる
平成25年度 子どもたちの意見や思いを「私たちが作る子ども条例10箇
条」としてまとめる
取り組み4としてシンポジウム
子どもワークショップ参加者と仲川市長、子ども条例検討委員による意見交換
テーマ「私たちが奈良市長だったらこんな奈良市にしたい」
「子どもにやさしいまち」条例を作るために平成24から25年にかけてアンケート、インタビュー、ワークショップ(5回)シンポジウム」寄せられた子どもたちの意見をたくさん踏まえて検討されました。
条例検討委員会(17回)、平成26年パブリックコメント手続き実施し、その後定例市議会にて可決。奈良市子ども・子育て支援事業計画(奈良市子どもにやさしいまちづくりプラン)の策定されています。
⚫️奈良市子ども会議の設置
子どもの意見表明や参加を支援するための取組(条例12条に明記)
子どもにやさしいまちづくりや子どもに関する施策について、子どもが意見表明し、参加する場として設置
子ども会議(全5回)でテーマについてグループで話し合い→
意見報告会で市長・教育長・関係部署へ子どもたちから直接報告→
関係部署と子どもたちの意見を共有した上で提案を実現
提案実現のために「自分たちに何ができるのか」についても意見のまとめと同時に子どもたち自身で考えてもらう→子ども会議が単なる要望の場になることを防ぐ
関係課を巻き込み市役所全体で子どもの意見に耳を傾ける→意見書を手渡すだけの単なるセレモニーになることを防ぐ
奈良市の取り組みは子どもから意見を聞くだけでなく、それを実現するためにどうしたらいいか市役所全体で子どもの意見に耳を傾けるという姿勢にとても感銘を受けました。大和市の子どもミーティングでも意見を聞いて終わりではなくそれを実現したらどうできるのか共に考えていけるよう活動していきたいと思います。