12月議会一般質問【子ども誰でも通園について】

「こども誰でも通園制度(仮称)」令和5年6月の閣議決定において「こども未来戦略方針」では0〜2歳児の6割を占める未就園児を含め、子育て家庭の多くが「孤立した育児」の中で不安や悩みを抱えており、支援の強化を求める意見がある。こうした中、全てのこども誰でも通園制度についてもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付(「こども誰でも通園制度(仮称)」)を創設する」こととしている。

具体的には保護者の就労有無や理由を問わず、0〜2歳の未就園児が保育施設を時間単位で利用できる制度です。これまで保育施設を利用するためには、保護者が働いているなど一定の条件を満たす必要がありました。しかし、こども誰でも通園制度は保護者が専業主婦(夫)であっても、理由を問わず利用できます。新制度を利用することで、こどもにとっては家庭と異なる環境や人との関わりを経験することができ、成長を促すきっかけとなるとしています。保護者にとっては、一時的に育児から離れることで、育児の孤立・不安感が軽減されるほか、保育者を通じてこどもの成長を実感したり、育児相談をしたりする機会が得られます。

0歳後半から初対面の人や初めての環境への不安感情が強くなり、「人見知り」と言われる時期で、この時期に入所することは子どもにとって大きな不安が生じ、入所時だけでなく保育者が変わったり、子どもの集団構成が変わると不安が高まり特定の保育者への後追いや気持ちの崩れが起こりやすい時期です。施行的事業を始めている保育園では子どもが泣くだけで終わってしまったケースがあったそうです。また、『一時預かり』の多くは、在園児とは別のスペースで保育をしていますが、『こども誰でも通園制度』では、在園児たちと一緒に保育をする場合があります。そうなると、通常保育の中で、毎週違う子が、1人、2人と、短い時間だけ来ることになります。在園児の中には落ち着かない子どもも出てくると思います。保育者がかかりきになれば他の子どもを見る余裕がなくなり保育の質が担保されないと言う声も出てきています。

全国の保育施設に勤務する保育士177名(20代~60代)を対象に2023年12月28日~2024年1月25日実施、調査方法はGoogleフォームでアンケート回収したBABY JOB株式会社が行ったアンケートによると

こども誰でも通園制度に対し、7割の保育士が「保育士の負担が大きそう」と回答。

次にこども誰でも通園制度に対してどのようなイメージ抱いているかを尋ねたところ、最も多かったのは「保育士の負担が大きそう」70.6%で最も多く、次いで「一時保育との違いが分かりにくい」67.8%、「在宅子育てされている保護者の負担軽減につなげられそう」47.5%でした。

 こども誰でも通園制度が始まることに対する不安があるかについても尋ねた結果、不安だと回答した人が9割いることが分かりました。その理由としては、「保育士確保」79.1%が最も多く、「作業量の増加」64.4%、「安全面の管理」63.3%などがありました。

こども誰でも通園制度を進める上で保育士が国に求めることは「子どもの安全の確保」と「受け入れ体制の整備」

保育士に「こども誰でも通園制度を進めるにあたって、国に対して意見はありますか?」と聞いたところ、「子どもの安全」「受け入れ側」「制度や進め方」の3つの点に関する意見が多くありました。

・保育士を確保するのが難しいうえに、既存の園児も年々支援を必要とする子が増えてきています。寄り添いながらの保育をする中で更にこの制度が追加になると、園に求められるものが多くなり不安が大きい。保育士確保の補助や、給料の補助等について考えていただきたいと感じる。(50代園長)

・時々来る子どものことを把握してアレルギー対応や発達相談なども行うには、やはり人が必要です。ぜひ配置基準の見直しをしてもらいたいです。(50代園長)

・障害のある子どもを受け入れる場合、体制の整備など引き続き検討が必要と思われる。(40代副園長)

アンケートから声があがっているように保育士の9割の方が不安に感じています。毎日変わるの変わる違う子がくることで保育士の負担が増えるますし、子どもは初めてだったり不安定な気持ちでくるのでつきっきりになり対応に追われます。また配慮が必要なお子さんが増えている中でアレルギー対応や発達相談などにも時間がかかることから、今以上に保育士の負担が増えます。現場の保育士さんたちが感じているように作業量が増えることで子どもの安全面が確保できるのか一番不安になるところです。保育士不足が叫ばれている中で今以上に保育士が必要になります。保育士確保のためにも処遇改善をしていかなければならないと考えます。

そこで質問します。
質問1. 2026年に「誰でも通園制度」が本格的始動されていますが、大和市として制度についてどのように考えているかお聞かせください

質問2. 横浜市・川崎市・相模原市・厚木市は試行事業に手あげをしているが、本格始動に向けて試行的事業への参加について市の考えをお聞かせください

質問1.2 一括答弁
こども誰でも通園制度は、現行の幼児教育・保育給付とは別に、令和7年度から制度化され、令和8年度にはすべての自治体で実施することが見込まれるものと認識している。子どもが家庭とは異なる経験を得ることや、保護者の負担感の軽減等が目的となっている。

一方で、保育士や実施場所の確保といった、多くの課題があると捉えている。

現在、試行的事業を実施しているが、本市では直ちに対応することが難しいことから、試行的事業への参加をしておらず、令和8年度からの事業開始に向けて準備を進めていく。

質問3. 横浜市は国の補助金制度を利用して月に10万円事務費として補助をしている。川崎市は保育対策総合支援事業費補助金を利用して事業所の家賃を給付しています。誰でも通園制度は保育園の他に幼稚園やその他子育て支援拠点、児童発達支援センターなどでも行うことができるが保育所以外の施設での実施について考えをお聞かせください

質問4.今でもマンパワーが心配される中、誰でも通園制度において保育士が足りるのか心配されます。子育て支援員の誰でも通園型の研修があると聞いてはいるがこども誰でも通園制度における保育士等の確保についてお聞かせください

質問3.4一括答弁
内閣府令案では、認可保育所だけでなく、幼稚園や事業所内保育事業所等についても対象施設としており、認可を受ければ実施できることとされている。

また、人員配置基準は、乳幼児の年齢と人数に応じた保育従事者を保育所と同じ対応数で配置し、そのうち2分の1を保育士、残りを当事業に特化した子育て支援員研修の修了者とすることが可能。令和8年度に向けて研修内容の検討が進められていると聞いている。

制度の詳細については、国の検討会等の結果により通知される見込みであることから、国の動向を注視し、まずは情報収集を進めるとともに、試行的事業での事例を参考にしながら検討を進めていく。

【要望】ご答弁ありがとうございます。こども家庭庁は少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスとし、社会全体でこども・子育て世帯を応援していくため、「こども未来戦略」に基づき、児童手当の拡充をはじめとした抜本的な給付拡充の財源の一部に、「子ども・子育て支援金」が充てられます。支援金制度は、少子化対策のための特定財源であり、3.6兆円のうちの1兆円程度を確保されます。その中に乳児等のための支援給付(こども誰でも通園制度)も入っています。
今後国の動向を注視し、まずは情報収集を進めるとともに、試行的事業での事例を参考にしながら検討を進めていくとのことでした。一番に子どもが安心安全に過ごすことが担保されるよう、保育士の確保と保育士処遇の改善が図られますよう要望致します。