【12月議会】大和市乳児等通園支援事業及び運営に関する基準を定める条例について
大和市乳児等通園支援事業及び運営に関する基準を定める条例について、神川ネットワーク運動は反対しました。
今回反対に至った理由は以下の理由からです。
今回提案された条例は、令和7年内閣府令第1号「乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準」のうち、第5条までを条例に記載し、第6条以降の内容については規則に委ねる構成となっています。これは、国の基準の前半、いわば制度の骨組みのみを条例に定め、衛生管理、安全対策、人員配置、虐待防止など、保育の質と子どもの安全に直結する重要事項を条例に書かないという構成です。
しかし、保育の質と子どもの安全に直結する内容は、決して「技術的な細目的事項」ではありません。子どもの命と安全を守るための制度の根幹であり、市として必ず守ると約束すべき最低限の基準であると考えます。
大和市は、これまでに保育の重大事故を経験してきました。また、昨年度問題となった不適切保育については、現在も第三者調査が行われており、いまだ解決したとは言えない状況にあります。
そのような中で、今まさに大和市の保育行政において最も問われているのは、子どもの安全をどう担保するのかという点ではないでしょうか。
子ども教育常任委員会の中で、市は「基本的なルールは条例に、細かな内容は規則に定めるという考え方で、これまで条例を制定してきた。今回も同じ方針である」と説明しました。しかし、過去に重大事故を経験した自治体だからこそ、「今までと同じだから」という理由で条例構成を決めてよいのでしょうか。むしろ、これまでの経験を踏まえ、何が重要なのか、何を条例に明記すべきなのかを改めて検討する責任があると考えます。
更に重要な点として、委員会においては規則の内容そのものについては議論の内容とならず、議員が具体的基準の妥当性などを検討する機会は与えられませんでした。つまり、この条例構成を前提とすれば、子どもの安全対策や人員配置、虐待防止といったもっとも重要な事項について、議員が内容に関与し、議論し、チェックする機会が制度上失われ、実質的に関与することなく子ども誰でも通園制度の実施を承認することになります。地方自治における議会のチェック機能、すなわち市民の代表である議会が内容を確認し関与できるというしくみであり、行政だけで重要なことが決められないようにする仕組みの観点からも重大な問題であると考えます。これは、議会が関与しないまま、子どもの安全に直結する基準を行政の裁量に委ねてしまうことを意味します。
条例に定めないということは、その内容を「市の責務」として明確にしない、ということでもあります。規則中心の構成であれば、「運用上の対応」や「可能な範囲での実施」にとどまる余地が生まれ、将来的に議会の関与なく内容が変更される可能性も否定できません。特に、「子ども誰でも通園制度」は、0歳から2歳という、自ら危険を訴えることも、回避することも、権利を主張することも難しい低年齢の子どもたちを対象としています。そのため、保育環境を含めた安全対策については、行政裁量や運用に委ねるのではなく、条例により明確なルールとして定めておくことが不可欠です。
子どもの安全は、制度運営上の細目ではありません。市として、必ず守ると約束すべき根本的な事項です。「これまでと同じ考え方で条例を制定する」という姿勢は、条例の内容によって何が重要なのかを十分に検討せず、形式的に条例を整えることと同義ではないでしょうか。
以上の理由から、本条例案は、子どもの安全確保という最重要課題に対する市の責任を条例として明確にしているとは言えず、賛成することはできません。よって、本条例案に反対いたしまました。

