3月議会一般質問「街路樹と公園の樹木のついて」

中項目1:大和市の緑の考え方について

近年、市内各地において街路樹が強く剪定され、丸裸のようになっている状況について、多くの市民の皆様から様々な声が寄せられています。

私のもとには「夏に日陰がなく歩くのがつらい」、「ぶつ切りされ電信柱のような街路樹になってしまった」「高齢者や子ども連れ、車椅子では厳しい」という切実な声が寄せられています。

特に近年は猛暑が続いており、夏の日中、日陰のない歩道を歩くことは高齢者や子ども連れの方にとって大きな負担となります。

一方で、「落ち葉が多くて掃除が大変」「枝が家にかかる」といった生活に密着した声があることも事実です。

街路樹は多くの市民に恩恵をもたらす存在である一方で、生活に近い存在であるからこそ様々な意見があるということだと思います。

これまでの議会答弁では、落ち葉の苦情対応や管理コストの制約などから強剪定を行っているとの説明がありました。

しかし一部の方の苦情だけで強選定されていないでしょうか?
声をあげていない多数の市民の意向が反映されているのかという課題があります。

声を上げる人の意見も大切ですが、声を上げていない多くの市民の意向もまた大切です。私のもとには「切りすぎではないか」という声も数多く寄せられています。

街路樹は、特定の人のものではなく、市民全体の財産です。その管理のあり方については、改めて広い視点で考えていく必要があるのではないでしょうか。大和市はもともと緑被率が低く、決して緑が多い都市とは言えません。その中で街路樹や公園樹木は、都市の中に残された貴重な緑の資源です。

街路樹には
・都市景観をつくる
・ヒートアイランド現象を緩和する
・歩行者の快適性を高める
・生物多様性を守る
・災害時の延焼防止など多くの役割があります。

特に近年の猛暑の中では、街路樹がつくる日陰は、市民の命と健康を守る重要な都市機能とも言えます。例えば夏の炎天下で、街路樹のある歩道と、全く日陰のない歩道では体感温度が大きく異なります。直射日光を遮り路面温度を最大20度低下させ路面の温度上昇を抑制することができます。これは遮熱性舗装による温度低下(最大10度)よりも効果が高く、ヒートアイランド対策として最も経済的な手法とされています。

適切な剪定は風通しを良くし、台風などによる倒木や落枝のリスクを低減させます。これにより、倒木に伴う人身事故や車両被害、交通網の遮断といった莫大な社会的・経済的損失を防ぐことができます。また災害や火災があった時には延焼防止になります。

また、街路樹は都市の魅力を形づくる大切な要素でもあります。例えば仙台市は「杜の都」と呼ばれ、街路樹の景観が都市のブランドとなっています。整然とした並木のある街と、枝を切られて電信柱のようになった街路樹の街では、まちの印象は大きく異なります。どちらの街に住みたいかと問われれば、多くの方が緑豊かな街を思い浮かべるのではないでしょうか。

良好な並木景観を維持することは都市のブランドイメージを確立し、地域全体の価値向上に寄与します。大和市のステータスを保つためにも緑は必要ではないでしょうか。人口減少時代を迎えるこれからの都市においては、「どこに住むか」が選ばれる時代になります。その中で、緑豊かな街並みは都市の魅力を高め、「住みたいまち」として選ばれる大きな要素になります。

緑についても大切にしている街のアピールすることにより「住みたいまち」として選ばれる街になるよう大和市の価値を高めるという意味でも、街路樹のあり方は重要な都市政策の一つであると考えます。
質問:大和市の緑に対する市の考えをお聞かせください。

市長答弁
緑は地球温暖化の防止やヒートアイランド現象の緩和、さらには美しい街並みや景観づくりの形成、火災時の延焼防止や土砂崩れの防止といった安全性の確保など、様々な役割を持ち合わせており、市民に潤いや安らぎを与える健康で文化的な生活を営む上でも重要なものであると捉えている。

そこで、緑に関する施策を総合的、計画的に進められるよう「大和市緑の基本計画」を定め、緑と花をテーマとしたまちづくり、人づくり、しくみづくりの3つを基本方針とし、緑の質の向上や適正な配置、市民の意識高揚など、様々な施策を展開している。

この施策に基づく取組みとして、泉の森をはじめとした大規模緑地については、快適な市民生活の拠り所であるとともに、良好な都市環境の基盤として位置づけられていることから「保全緑地」として緑の確保に取り組んでいるほか、公園や道路、公共施設などにある身近な緑も街の緑を形成する重要な要素と捉え、適切な管理に努めている。

さらに、市民や事業者による緑化推進の意識づくりも大切であり、2027年国際園芸博覧会におきましても園芸作品の出展を通じて、市民の緑化活動の活性化につなげていきたいと考えている。

今後も引き続き良好な自然環境を維持し、活かすことにより、人とまちと緑が調和し、より多くの市民等が緑による恩恵を受けられ、親しめる場となるような環境づくりを進めていく。

中項目2:街路樹の管理について

現在、市内では枝を大きく切る強剪定が行われている箇所も見受けられます。しかし樹木の専門家からは、過度な強剪定について様々な課題が指摘されています。

強剪定は切り口が大きくなるため、そこから腐朽菌が侵入しやすくなり、樹木の内部が腐る原因になることがあります。その結果、樹木の衰弱や枯死につながり、倒木リスクが高まる可能性もあると言われています。

また強剪定を行うと、かえって不定芽と呼ばれる異常な枝が密集して多数発生し、結果として剪定回数が増えることもあります。枝を適度に間引く「透かし剪定」は、樹木本来の樹形を保ちながら健康な成長を促す方法とされています。異常な枝の伸び(徒長枝)を促進し腐朽を防ぐため倒木リスクの低い安全な街路樹を育てることができます。

このような観点から、これからの街路樹管理には「切る管理」から「育てる管理」への転換が求められているのではないでしょうか。

一方で、根が成長して周囲の舗装を盛り上げる「根上がり」が発生し、歩道に凹凸や段差ができることで、歩行者の転倒や車椅子の通行を妨げるバリアフリー上の大きな問題となっています。

そこで質問します。

質問1:昨今の猛暑から命を守る日陰を作るために強剪定は原則避ける運用にするべきではないか?
また強剪定を行うと切り口から腐朽菌が入りやすくなります。弱剪定(透かし剪定)は、樹木が持つ腐朽に対する自然な抵抗力を低下させにくい手法であり倒木リスクの低い安全な街路樹を育てることができます。ブツ切りするのではなく、樹冠を広ろげた弱剪定(透かし剪定)への転換を検討していくべきではないでしょうか

雑持管理は、道路本来の機能維持、生活環境への配慮などにより、剪定の方法や回数を考慮する必要がある。
強定は、日陰の減少、菌が繁殖するなどの可能性があり、最小限にとどめるべきと認識しているが、落葉、ムクドリ等の対策として、病気に強く、環境負荷の影響を受けにくい街路樹に限り実施している。

質問2:歩道の舗装を押し上げる「根上がり」は高齢者や車椅子利用者の転倒リスクを高めるバリアフリー上の重大な課題です。防根シートの設置や植栽基盤の改良といった根本的な対策が必要であると考えますが、「根上がり」については、どのように管理しているのでしょうか?

根上がりは、歩行者等の通行障害をもたらすため、確認した時は、職員が安全確保を行い、後日、根処理や工事等を行っている。

中項目3:街路樹の管理計画について

全国的に1960年代から1970年に植えられた街路樹が老齢期を迎え管理が追いつかなくなっており、倒木や落枝による人身・物損事故が顕在化しています。国交省の調査では道路における事故を要因として、台風・強風に加え、腐朽や病害が多く挙げられています。

そのため多くの自治体では

・街路樹台帳
・長期管理計画
・更新計画

を策定しています。

久喜市では、2010年3月に制定された「久喜市街路樹等の管理及び選定に関する条例」およびその施行規則に基づき、街路樹管理のあり方が「道路の附属物」としての維持から「自然の美しさを活かした適正な管理」へと明確に転換されました。

従来の管理では、落ち葉や鳥害を防ぐために枝葉を徹底的に落とす「強剪定」が一般的でしたが、条例施行規則により、「樹木のもつ自然仕立てを基本とし、樹木固有の美しさを保つ」ことが義務付けられました。

条例の趣旨を具体化するため、2017年に「街路樹管理指針」が策定されました。

「目標樹形」の設定と運用
路線ごとに将来目指すべき姿を定める「目標樹形(矯正型自然樹形)」が設定され、無計画な強剪定を抑制する仕組みが整えられました。各路線のデータや剪定状況を整理し、一貫した管理を行うための「路線別目標樹形カード」を作成・活用します。

剪定手法の転換
樹勢を弱め腐朽の原因となる強剪定を止め、「自然な樹形」を維持する透かし剪定や切り返し剪定に移行します

適切な保全と更新のルール化
以前前は曖昧だった伐採の判断基準が、倒伏リスク、財産被害、交通安全上の支障などに具体化され、適正な管理サイクル(巡回点検など)が構築されました。また効率的な維持管理のため、各路線のデータを整理した「街路樹台帳」の整備が進められるようになりました。生育状況や剪定履歴をデータベースで管理することで、適切な更新時期や診断を可能にします。

これらの改善策を徹底することで、街路樹を「道路の邪魔者」から、ヒートアイランド対策や景観形成に寄与する「都市の資産(グリーンインフラ)」へと育てていくことが目指されています。

将来の成長を見越し、大きくなりすぎない歩道幅員に適した樹種へ変更することも検討していく必要があります。老朽化した路線の更新にあたっては、枝が絡み合わない適切な植栽間隔を確保し、1本1本が健全に育つ「量より質」の街路樹整備をしていくべきと考えます。「残す木」「更新する木」はどれなのか?

いつ抜根して、いつ植え替えるのか、今後は1本1本管理し台帳管理をしていくべきだと思います。そのためにも管理計画を策定していく必要があります。

質問1:街路樹などの樹木について寿命や更新時期を見据えた管理計画はあるか? 長期的な管理計画を策定するべきではないか?
また久喜市では街路樹条例を制定しています。松戸市やさいたま市ではガイドラインを作って管理しています。大和市でも街路樹条例を制定してはいかがでしょうか?

管理計画は、更新時期、配置等を適切に行う必要があるが、現在、計画や条例策定の予定はありません。しかし、持続可能な維持管理方法の導入検討をしており、導入の際は、街路の維持管理手法についても、民間業者のノウハウや創意工夫が生かされるものと期待している。

中項目4:専門家の活用について

全国的に街路樹の老木化が進む中、樹木医など専門家による診断の重要性が高まっています。樹木は外見だけでは内部の腐朽や空洞化を判断することが難しい場合があります。樹木医の専門的知見では、過度な強剪定は腐朽や空洞化を招き、かえって倒木リスクを高める場合があるとされています。特に倒木の可能性が高い「支持根の腐朽」や「幹の空洞化」を早期発見するために樹木医による診断や精密機器導入を用いて診断されたりしています。その判断基準や事前診断の有無について、制度としての明確な位置づけが必要ではないかと考えます。

街路樹剪定士は、一般社団法人日本造園建設業協会(日造協)が認定する民間資格で、街路樹の美観を維持し、その持つ機能や効用を最大限に発揮させるための街路樹管理のスペシャリストです。単に枝を切り落とす作業員ではなく、樹木の生理・生態を理解し、都市空間における安全性と美しさを両立させる役割を担っています。

 街路樹が植えられた場所の立地条件(歩行者や車の通行、建物の状況など)を考慮し、その樹木が本来持つ機能を十分に発揮できる将来の姿(街路樹目標像)を設定します。

作業の開始前に、標準的な樹木で手本となる剪定を行い、その路線の仕上がり基準(標準樹形)を明確にしたり、剪定が目標樹形通りに行われたか、過度な「強剪定」になっていないかなどを検査・評価し、必要に応じて改善指導を行います。また樹木の健康を守りつつ、都市インフラとしての安全性を確保し機能を妨げないようコントロールするのも重要な仕事です。

鎌倉市は景観・歴史環境を大切にしている自治体で、街路樹や公園樹木、保存樹木などの維持管理にあたり、樹木医や専門家の意見を取り入れる仕組みがあります。

また札幌市、盛岡市、岡山市では資格の保有や配置が入札の参加の条件になっています。

市では樹木管理を主に委託業務として実施していますが、剪定方法や更新判断について、樹木医などの専門家がどの段階で関与しているのかは、市民から見えにくい状況です。

質問1:本市における街路樹と公園樹木は過去3年間で街路樹の伐採本数はどのような推移でしょうか?

街路・・R4:16本、R5:27、R6:29、公園・・R4:36本、R5:156、R6:104

質問2:現在、本市において街路樹、公園樹木の点検はどのように行なっているでしょうか?

質問3:現在、街路樹や公園樹木の管理に樹木医など専門家の知見を活用されているのか。今後、樹木医等の専門家を継続的に活用することについて、市の見解を問う

街路掛・・・随時、市職員による道路パトロール実施
公園・・・全区域監視業務委託業者が、月1回程度

点検により、倒木の危険性などの早期発見に努める。外観で判断できない木は専門家に委託している。数多くの木を計画的に調査するには有資格業者が限られ、また財政負担に課題があります。

中項目5:市民参加参加について

市内で日頃からボランティア活動をしてくださる方がいてくださることに感謝いたします。しかし高齢化が進み活動ができなくなってしまったところも出てきているとお聞きしています。ボランティアの方々を増やしていくことは街路樹や公園樹木を市民の財産として守る意識を高めることにもつながります。学生の方々にも声をかけるなどボランテイアを増やす仕組みを考えていくことも必要ではないかと考えます。また緑の役割である景観・防災・環境といった観点からどんな街に住みたいか考えてもらうこともボランティア活動を始めるきっかけにつながるのではないかと考えます。

質問1:ボランティアの力を借りてはいかがか?

現在、アダプト・プログラム(道路)や公園愛護会(公園)の制度があり、地域の方々にご参加頂いている。皆さまの活動が、清潔で利用しやすい環境推進の一助となっている。

質問2:緑の基本計画を改定する際に市民ワークショップ等行い、市民の意見を取り入れてはどうか?

大和市緑の基本計画」は、平成9年度に策定し、これまでに平成22年度、30年度と2度の改定を行っいる。

改定の際には、ボランティア団体との意見交換会や市民への郵送によるアンケートを実施するなど、市からの意見を伺っており、令和10年度に予定している改定の際にも、さまざまな手法で市民ニーズをとらえ、計画内容に反映していきたいと考えている。

【要望】ご答弁ありがとうございました。
木陰は移動の負担を軽減する重要な要素です。高齢者にとって木陰は外出を支える健康インフラです。高齢化社会において歩いて外出できる環境は、フレイル予防、健康増進につながります。子ども連れの方の外出にも大きく影響しています。強剪定によって木陰が失われると夏の歩道は非常に暑くなり外出が困難になります。夏に木陰が残るよう時期を考慮して切っていただけますようお願いします。

環境負荷の影響を受けにくい街路樹に限り強選定を実施しているとのことですが、街路の伐採本数はR4:16本、R5:27、R6:29でした。R4年とR6年では倍近い本数が伐採されています。

専門家の知見では強剪定は切り口が大きくなるため、そこから腐朽菌が侵入しやすくなり、樹木の内部が腐る原因になり、その結果、樹木の衰弱や枯死につながると言われています。

技術者が減っている中で入札条件に専門家を入れることは難しいとのことでしたが旭川市、松戸市、横浜市、京都市、芦屋市などは、特記仕様書において街路樹剪定士の現場配置や常駐を明記しています。
札幌市、盛岡市、岡山市などでは、資格者の保有や配置が入札参加の条件となっています。

このように、先進的な自治体では、単なる「枝切り」ではなく、「街路樹目標像」を実現するための専門職として街路樹剪定士を位置づけ、インフラ管理の質を向上させています。

今後は適切な植栽間隔を確保し、1本1本が健全に育つ「量より質」の街路樹整備をしていくべきです。「残す木」「更新する木」はどれなのか?いつ抜根して、いつ植え替えるのか、今後は1本1本管理し台帳管理をしていくべきだと思います。そのためにも樹木剪定士など専門家を入れて剪定の仕方を研究したり、一緒に考えていただき管理計画を立てていくことを強く要望します。

落ち葉については堆肥化をするなど落ち葉の再利用ができれば、子供たちが小学校で植える朝顔や野菜の肥料にすることができます。

ボランティアについてはアダプト・プログラム(道路)や公園愛護会(公園)の制度があり、地域の方々にご参加頂いているとのことで日頃からの努力に感謝いたします。しかし高齢化が進み人数が減ってきていると聞いています。

市内の高校にはボランティア部があるところもあると聞いています。若い人の協力を得るためにも中学高校生の参加を募ってはいかがでしょうか? ボランティアポイントをつけるなど工夫をしたり参加してもらえる仕組みづくりが必要です。

スポGOMI落ち葉バージョンを開催できないでしょうか?落ち葉を使って焼き芋をしたり楽しいイベント企画があったらいいかもしれません。

多くの方にボランティア参加してもらえるような工夫を考え、市民参加により環境を守って行けるような仕組みづくりを期待します。