【3月議会一般質問】街路樹の多彩な役割と意義

 近年、台風や豪雨など深刻な自然災害が相次ぎ、街路樹が倒れて道路が通行止めになったり電線が破断したというニュースをよく耳にします。市民からの落葉の苦情もあると聞きます。果たして街路樹は都市づくりのお荷物なのでしょうか?

 街路樹は街並みに統一感を与え、沿道景観に彩りや季節感、潤いや安らぎをもたらす効果が知られています。道路に直射日光が当たると夏場の路面温度は50度を超えますが、街路樹の木陰では路面温度が約20度も低くなります。また近年の集中豪雨では都心洪水を緩和します。ヒートアイラン現象の緩和や地球温暖化防止、火災時の熱吸収・低減による延焼防止や防火壁としての役割や地震時の家屋倒壊防止の効果など様々な役割があります。また車と歩行者の分離、並木効果による運転者の視線誘導、ヘッドライトの防眩効果により交通安全性の向上に役立っています。

 しかし大和市のあちらこちらの街路樹が強剪定されて丸坊主になり電信柱のようになっています。このように切られた街路樹を見ると潤いや安らぎを感じるどころか本当に悲しい気持ちになります。

 街路樹が電信柱のようにまる坊主になってしまうのはなぜなのか市に聞いたところ落葉前に剪定して欲しい等の意見があり予算の中で対応しているとこのようになってしまうとの答えでした。

 現状を改善するには管理仕様書をもとにしながらも技術的判断ができる職員を配置する必要があります。専門的な知識を備えていれば、外観診断を必要に応じて精密診断を専門の樹木医に委託、という体制をとることができ、診断を対策判断・予算措置の検討も含めて合理的・柔軟なサイクルができます。そのようなことができるように仙台市などのように、すべての街路担当職員に対して研修会を毎月行ったり、見本剪定講習会を行っている自治体もあります。街路樹の特性や寿命などを考慮して街路樹の管理、計画をしていくことが必要です。

近隣の町田市では剪定は必要最小限に留められ樹冠を大きくするような剪定の仕方を工夫しています。また県道ではあまり大きくなりすぎず緑がこんもりとしているような木を植えるようにしています。

 和市の緑地率は残念ながら川崎市の8.87%に続き12.91%で県内で2番目に低い緑地率となっています。緑地率は農地と森林を足したものを市の面積で割ったもので神奈川県で統計を取っているものですが、残念ながらワースト2位という結果になっています。大和市の緑の基本計画では公園等ばかりなく街路樹も含む道路も公共施設緑地として位置付けられています。街路樹は緑をつなげるためにも重要です。植え替えが生じた際にはどのような木が好ましいのか木の特性を考え、大和市の街路樹に緑が戻るよう計画を立てていただくことを強く要望致しました。

 現在は電信柱のように丸坊主になるほどばっさりと強剪定されており、街路樹の意義がなくなってしまっています。住民から街路樹を守ってほしいという声がなければ手間のかかる街路樹は減らされかねません「もっと緑を守ってほしい」と声をあげていかなければ緑がどんどん減り街路樹の大切な役割も失われてしまいます。大和市ではボランティアで清掃を積極的に行っている地域があります。私たち市民が行動し声をあげていく必要があります。